豊田空間デザイン室

建築ノート
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『いろり…1』

updated: 2009年1月8日

寒い時期なので、火の使われ方について、、。

屋外で火を用いる場合、細い木の枝の先端をくくり合わせて三脚をつくり、それに鍋を吊るす方法と、石を置いてその上に鍋をすえる方法がある。 いろりは前者の方法で、かまどは後者が発達したものと考えられる。

土座住まいの地床を掘りく凹めて、周囲を玉石で縁取った火処をつくり、年中火が赤々と燃えて、調理だけでなく、採暖、照明、乾燥などと、特に北国では人々の生活はすべてがこの炉が中心であった。

一方、南国では戸外生活が多いので、家は就寝と休息のためのみ必要であった。また、虫や獣害を防ぐため、高床で風通しをよくし、床は竹のスノコとしていたので、屋内に火を持ち込むのは困難でもあった 勿論、気候的にも採暖の必要がなかったので、煮炊きの場所は戸外だった。

つまり、「いろり」は北方の寒冷地に多く、「かまど」は南方の温暖地に多くて、屋外の調理目的に限られていたといえる。