豊田空間デザイン室

建築ノート
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『かまど』

updated: 2009年2月1日

かまどはいろりとは別で、鍋を支える石から発達して、粘土や石で周囲を囲って風を除け、火の粉が散らぬよう焔が正しく鍋底に集中して、少ない燃料で効率がよいように工夫された。 弥生時代からあったそうだが、釜にも鍔をつけてすっぽりとかまどにはめ込み、火力を逃がさぬようにされた。
 もともとは屋外にあったかまどは、漸次屋内の土間に取り入れられた。燃料の乏しい平野の農家では、藁や松葉のような火力の弱いものでも、用が足せるように改良されていった。 「へっつい」「くど」とも呼ばれ、近畿地方で見られるものは、勾玉形の平面で漆喰で磨かれ美しい  
 子供の頃、親の実家(中部地方)に行くとかまどはまだ使われていて、少し薄暗い土間と黒ずんだ梁が見え、かまどから炊き上がるにおいと煙が何ともいえない味わいを醸し出し、今も深い郷愁を感じるのである(゚ー゚)