豊田空間デザイン室

建築ノート
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『アウエル・バッハ邸』

updated: 2009年8月25日

数回日本の民家のことが続いたので、海外の住宅について、、、

この住宅が完成したのは80数年前の1924年で、設計はグロピウス。 「建築は人の暮らしの流れに実際の形を与えること」という考えで、各室には機能が与えられている。
 それまでの住宅は、外観は三角屋根が架けられ、外壁には装飾が施され、インテリアには装飾的な家具が置かれ、壁には絵が掛けられているのが一般的だった。
「美しい直線と色彩自体を楽しんでください。この家自体が絵なのです。そのためには飾棚も絵もいりません。むしろ邪魔なのです。」と、グロピウスは言っている。住宅の新しい美しさを作り出そうとしていたのである。
  バウハウスの画家であるクレー、カンディンスキー、モホリ・ナギ達は目の前の現実世界を単純な直線の組み合わせと、色の配色だけで表現できると考えていた。 そしてグロピウスは、新しい住宅の可能性を彼らの芸術に見出そうとした。 バウハウスの活動を通じて、住宅という立体を前衛絵画と同じような直線と色で造り上げようとしたのである。 この住宅は現在でもモダンで、今の生活スタイルに合いそうである。