豊田空間デザイン室

日々のこと
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『カラマーゾフの兄弟』

updated: 2009年10月10日

 長年読みかけては中断した、「カラマーゾフの兄弟」を読み終えた。 他の本を読みながらの並行の読書だったので、結構時間がかかった。3巻で約1,500頁。学生の頃も含めると、3回ぐらいはチャレンジしたが、1巻目の半分ぐらいまでで断念していたと思う。 何しろ登場人物がなかなか覚えられない、、。 が、今は何でもHPを検索すると載っている時代。 登場人物の概要や何と人物相関図まであった。  おかげで?それを片手に読むことができた。
 調べてみると、千夜千冊では4巻目(神の戦争・仏法の鬼)にある。 まだ、2巻目を読んでいる最中で、そこまで行き着いていないが先がけて読んだという具合、、。
「カラマーゾフ」はドストエフスキーの最後の作品で、未完ともいわれる。亡くなる数十日前に、これほどの読むだけでもこの凄い長編、執拗とも思える描写をする気迫には驚嘆する。ロシアの大地・風土とその時代が、これほどの大作の下地にあるのであろう。
 ロシア正教をしらない私達には、「大審問官の問題をどう考える」のかは難しい。キリスト教世界においては「神は唯一の存在」。一方、我々は多神的・多仏的で、信仰の背景が違う。  ドストエフスキーを語るということは、世界の始原や神の沈黙を語るに等しいということだが、まだ全作を読み終えてないので、それはもう少し先になりそうだ。