豊田空間デザイン室

日々のこと
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『コーネルの箱』

updated: 2008年9月24日

 先日の新日曜美術館は「コーネル」、不思議な?箱のオブジェを作り続けた芸術家だ。
数年前、滋賀県立美術館で展覧会があったようだが、見逃してしまった。  天体の古い図版、貝殻、パイプ、ガラスやコルク球や写真などを配置したオブジェ。平面的な造形でも、額縁でなく箱に納め、ガラスを通して観る事で、立体との中間のような不思議な世界が出来上がる。コーネル自らは、「詩的な劇場」と言う箱には、自身の小宇宙が広がっている。 また、全然次元が違うかもしれないが、子供の時、工作で夢中になって作った箱の断面の水族館も思い出す。バックに海中のような青色を塗り、貝殻や魚、海草などを下げたり、貼り付けたり、、。 
 解説の高橋睦郎は、コーネルは孤高に自分と向き合った人だと言う。一人で自宅の地下室に篭って黙々と製作していたと。そうすることによって逆に他者も見えるのだと、現在はなかなか孤独に自分と向き合うのが難しいと、、言う。
 今回の解説の内、高橋睦郎、女性の造形作家、フランス文学者3人の家の空間は、静謐で、篭って自分に向き合えるような魅力を感じた。