豊田空間デザイン室

日々のこと
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『デミアン』

updated: 2008年11月5日

 ヘルマン・ヘッセ「デミアン」(千夜千冊…第1巻 2 少年たちの行方)

 ヘッセは高校の頃、有名な「車輪の下」「郷愁」「春の嵐」「知と愛」を読んで、それから、西洋、キリスト教を基に書かれた本としては、最後に読んだのがこの「デミアン」。ヘッセはよく旅をしているが、「デミアン」を境にインドをはじめ、東洋に傾倒している。 
 あらすじは、少年シンクレールがデミアンに救われ、カインについて語られる。そして、語られた二つの事は成長後のシンクレールに大きな影響と迷いを与えていく、、というもの。この二つの世界とは、「明」(公認された世界)と「暗」(非公認の世界)。カインとアベルの解釈に関して、、これはキリスト教の原始へと考えることになるのだが。十代の頃読んだままなので、今、再読すればまた奥深い解釈ができるかもしれないが、それはいずれ、、。
 インド旅行とこの執筆以後、ともかくヘッセは大きく転換し、「シッダールタ」「東方巡礼」等仏教的な主題で書いている。この2冊は当時、最後に読んだ記憶があるが、どう感じたかはあまり覚えていない。