豊田空間デザイン室

日々のこと
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『トナカイ月…上』

updated: 2009年3月3日

エリザベス・M・トーマス「トナカイ月…上」(千夜千冊…第1巻  5.遠方からの返事)

物語は月の時間にしたがって進行している。  著者の名前を聞くのは初めてだが、文化人類学者だ。だからこそ、作家にはない輝きと説得力がある。 舞台ははっきりしないが、シベリアのようなかなり寒冷地で、しかもマンモスがいた頃の2万年前、後期石器時代である。
 標題である「トナカイ月」は石器時代の狩猟民族が従っていたであろう原始暦から採っている かれらは13ヶ月で1年を数えた。 順に、氷解け月、仔ウマの月、行旅の月、ハエの月、クマコケモモの月、マンモス月、黄葉月、トナカイ月、あらし月、冬小屋月、飢えの月、咆哮の月、落ち角の月だそうだ。  したがってトナカイ月は9月頃になる。
 この本の副題は「原始の女ヤーナンの物語」  物語には二つの大きな原始家族が登場し、語り手ヤーナンはその一方の首長の娘。  他にはマンモスハンターたちと「火の川の人々」とオオカミを中心としたたくさんの動物たちと「霊」が登場する。
 まだ、上巻を読んだだけなので、いつか下巻を読んでからまとめたい。