豊田空間デザイン室

日々のこと
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『ロスコ・スタイル』

updated: 2009年8月23日

先月の「新日曜美術館」から、、 

マーク・ロスコの絵画は、大画面をいくつかの矩形に区切って、線も形も捨て去った色だけで表現される。この「ロスコ・スタイル」という抽象絵画を描き始めたのは、1940年末頃からで、一切の「意味」がはぎ取られ、一目見ただけでは何だろうと思う不思議な世界である。
 50年代末までは赤・黄・オレンジといった色彩が多く用いられ、穏やかで繊細な色彩表現である。 が、60年代末には抑えられた色調になっていき、黒やグレーやこげ茶などを多く用い、より沈んだ神秘性の漂う内的な世界を展開している、、、と言われている。
 さらに晩年の「黒い絵」は、色さえもほとんどなく、「何も意味せず何らかの図形でもない純粋抽象」の到達した世界を感じる。 「意味から自由になる」ことで、透き通ったさわやかさがでてきているとも思われる。