豊田空間デザイン室

日々のこと
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『三が日』

updated: 2009年1月3日

 正月三が日というが、元々「三」は年・月・日を指し、はじまりの意味だったらしい。

 この三が日は快晴が続き、正月らしい。元日が過ぎてしまったが「初明り」は元日の明け方、初日の出の前、東の空に差してくる曙光(しょこう)のこと 見に行ったことはないが、雲海の間から清々しい大気の中で見る新しい曙光は、荘厳な気持ちを起こすに違いない。
 「初日」の出を拝するのは、日の神である天照大神の御霊代を仰ぎ慕う太陽信仰に発しているそうだ  本来は高山霊峰で、御来光のかたちで行われたが、江戸では高い山がないので、海浜での初日待ちが盛んで、深川・洲崎・芝高輪あたりの海手に出かけたらしい。歌川広重の浮世絵にも見られるが、勿論今では高層ビルに遮られ、初日もままならないのである。
 「初空」は元日の大空。見慣れた空の景色でも、新鮮な気分が感じられる 暗い空模様では「初空」の感じは出にくい   元日の空は晴れれば瑞兆(ずいちょう←めでたい前兆のこと)と喜ばれ、たとえ雨や雪が降っても、目出度い豊穣のしるしとされたそうだ。日本海側はこの時期は時雨れている が、なにごとにつけ、新年とめでたさとを結びつけようとする日本人の敬虔な気持ちの表れなのだと思う。