豊田空間デザイン室

建築ノート
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『埋め込まれた記憶:サヴォワ邸①』

updated: 2008年9月14日

このところ、日本の民家に関して書いてきたが、その続きに入る合間に、海外へ目を向け、20世紀の住宅について考えてみたい。(建築ノートをパラパラと読み返していたら、ふとそうなっただけなのだが、、)
 「住宅は住むための機械」と言ったコルビュジェ。モダニズムの先駆者ではあり、サヴォワ邸について、「全ては計算つくされていて、無駄なものは無い」と言っているが、機能主義一辺倒ではない。
 サヴォワ邸のイメージスケッチは、柔らかいタッチで太くて実に味がある。1階のピロティは柱によって2階を支えることによって自由な空間が生まれている。しかも、車に乗ったまま入れるように、その寸法は車が半周するための半径から割り出されているのだ。それに沿った曲面のサッシ・ガラスは芸術家が集まるカフェをイメージしている。
 玄関を開けると、螺旋階段とスロープが目に飛び込む。このスロープは「建築を楽しむための散策路」と言っているが、2階に昇っていくにしたがい、視界は開けていく。
 コルは「家の空間は光によってこそ作り出される」「光で室内を演出する」と言う。そして「人間は次々と陰影を目の当たりにするとそれを呼吸するようになる」つまり「光の綾こそが人の息吹・生活を作り出していく」のだと、、。
 続きはまた、次回に