豊田空間デザイン室

建築ノート
archive

『家具としての畳』

updated: 2009年9月8日

日本のすまいは高床式なのと関係あるが、室内は脱靴の習慣がある そして、床は作業する土間と縁側などを除けば、畳敷きである。 畳は寝室にも食堂にも応接にも、どのような目的にも使用できる。
これは畳という敷物が、ベッドにも椅子の用にも用いられたということ、すなわち家具の役目を引き受けていたためである。
しかしながら現代では、ライフスタイルが洋風化するにつれて、ソファーやベッドなどの生活行為ごとの固定家具が増え、家具に埋もれた生活へと変化していく。さらにそこに電化製品が入り込んでくると、和室はむしろ居心地の悪い部屋になってしまうのである。
 東北の中部以降の民家に見られるが、立派な床板で、常日頃は畳を上げて床の間等に積んでおき、必要に応じて敷いて使う。 こんな家具のような使い方が良いと思う。