豊田空間デザイン室

日々のこと
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『循環や放浪「よし」とする世界観』-2

updated: 2008年10月16日

前回の続きとして
 縄文人が大事にした森を壊し、田畑を広げる農耕で食料を確保した弥生人の自然観をどうみるか、、、という問いかけに答える梅原氏の考えをまとめてみた。
 まず、古代エジプトでは、最高の神が太陽神、次が水の神。それは太陽の強い光とナイルの水がないと小麦が作れないからだ。日本も同じで太陽神の天照大神と水の神の豊受大神がいる。エジプトも弥生も縄文同様、人間中心ではなく自然中心だった。だから弥生人は森を壊して田んぼを作りながら、一方で神社にうっそうたる森を残した。根源的に森を大事にする縄文的な精神が残っていたわけである。
 近代の西洋哲学では人間だけが理性を持ち、自然を支配できるという人間中心主義の考えかたを持っている。これをひっくりかえす原理を作り、自然中心の哲学へと転換しない限り、環境破壊という危機的な運命は避けられない。
 そういう思想は西洋に学び、縄文の世界観を持つ日本のような国でないと出来ないのである。
 梅原氏の言うように、空海、紫式部、世阿弥などの独創的な人達が日本にいた事は、自信を持つべきである。