豊田空間デザイン室

建築ノート
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『昭和のモダニズム住宅…土浦邸』

updated: 2008年12月5日

都心に残る奇跡の空間、、、というサブテーマで土浦亀城の自邸が新聞に紹介されている。
 今でこそ、白い箱のような形、吹き抜けや大開口、間仕切りの無いワンルーム空間、スキップフロア、、といったデザインは一般的に見られるが、昭和の初期に「土浦邸」ではそれらの要素が取り入れられている  今尚、そのデザインは新鮮であると思う。 建築展などで、図面や模型などを何度も真剣に観た住宅である 暖房や衛生設備も最新のものであった。  建物だけでなく、生活自体も相当洋風であったそうだ。     
 ライトの弟子でありながら「バウハウス」の影響を強く受けたが、それとは逆に、装飾的でない「インターナショナルスタイル」のモダニズム住宅を目指した土浦ならではである。  しかしながら、新聞に書いてある通り、住宅は、安く、早く、大量に供給が求められ、工業化製品のように画一化されていった。

 現在、東京都の文化財ではあるが、補助金が十分でなく、保存していけるかわからないようである。  昭和初期のモダニズム建築が消えないように、望むばかりである。