豊田空間デザイン室

建築ノート
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『町家と路』

updated: 2010年3月30日

 町家は都市の住まい、町並みは路に沿って建ち並ぶ住まいで構成される。 この路を媒体として共同体的な連帯性をもった生活空間がある。 いわば、この「道空間」はコミュニティの空間であり、住まいは私的空間であるが、商家は当然できるだけ路に面して開放的なファサードとしている。 また、旅籠屋なども蔀戸(しとみど)や粗い格子などで路と接し、住宅でも簾の類で視線を遮りながらも、内からは道路の様子は窺えた。

 しかしながら、近年はこのような路を介しての街との繋がりはなくなり、味気ないものとなってしまった。