豊田空間デザイン室

建築ノート
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『町家の間取り』

updated: 2010年4月13日

 京都・大阪で発展した町家は奥行きが長く、「通り庭」形式である。 奥行きがあるので、道路側は店舗、中央が住まい、そして庭を隔てて隠居部屋や蔵という配置になる。 庭に面しては「だいどこ」があって、ここは食事の場所。 その奥がいわば主寝室で、この居住棟は2階建てになり、階上は座敷や子供部屋などに用いた。 そして、屋根上に出ると物干しの櫓があり、夕涼みや花火見物に用いられていた。
 中坪である通り庭は採光・通風の役目と、農家で土間のように荷造りや家事に使われている重要な生活空間でもある。 また、店と土蔵のとの連絡、使用人との隔てなど、多目的な空間ともなっていた。