豊田空間デザイン室

建築ノート
archive

『竪穴式と高床式の合体』

updated: 2008年9月12日

日本の民家が高床式になる過程で、いわばその中間に位置する形で「平地式」住居があった。それは屋根と壁はあるが床を欠いている。要するに床は土間である。地域によっては、土の上に転ばし根太で板を貼ったりして近年まで続いていたようだ。
 その後、北方系竪穴住居と南方系高床住居が合体し、中世以後現在の住居形式になってきたのである。家の半分が土間と高床部分に分かれ、下足と上足を使い分けるのは日本独特のものだ。
 また、両者の合体の経緯で「分棟形式」と呼ばれる民家もある。これは内部空間は一体だが、高床の主屋と炊事や作業のための土間棟が外観は分かれて繋がっている形式である。東海地方に多く、棟がT字型に直交するので「撞木(鐘を叩く木)造り」と言われている。