日本建築士会連合会の会誌4月号「旅から旅絵」にスケッチとエッセイが掲載されました

前号に続き、日本建築士会連合会の会誌4月号「旅から旅絵」にスケッチとエッセイが掲載されました。

旅から旅絵ーポルトの丘より

旅の魅力は日常生活から離れて異国の文化や街並に触れることが出来るので、ゆっくりマイペースで行きます。スケッチブックを片手に歩き、その時の印象で短時間で描いていますのでかなりラフですが、後で加筆しないようにしています。1日に3〜4枚ぐらいですが、ホテルに戻って、描いたものを見ながら記録を書くのも楽しい時間です。年数を経ても手を動かすとその時の事が蘇ってきます。訪れるのは小さくて長閑な国が多く、ポルトガルの旅は随分前ですが、スケッチの旅を始めた頃で印象深く記憶に残っています。南北に細長く移動しやすいので、南端のリスボンからスタートして北端のポルトまで10日ぐらいで廻れました。ここはポートワインの積出港として知られていて、旧市街地は世界遺産に登録されています。歴史地区の建築群は大航海時代の繁栄の名残が感じられ、古の郷愁が味わい深いです。ドウロ川の両岸に建つ、白壁にスペイン瓦の屋根の風景は、ポルトガルの風景として有名です。起伏のある高低差が変化に富んで、鄙びた街並が心地良い風景です。このスケッチは丘を登って行って街を眺望した時に、自然と手が動き出しました。街並みからひときわ高く見える塔はクレリゴス教会の隣に有り、高さは70m以上です。教会は18世紀に建設されたバロック建築、塔は街のどこからも見えてシンボルになっています。