豊田空間デザイン室

建築ノート
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『瓦屋根』

updated: 2008年11月4日

瓦は元々中国・韓国から伝来されて、主に寺院に使われていた。形は「平瓦」をあおむけに並べた上に「丸瓦」をうつむけに重ねて葺く「本瓦葺き」であった。この瓦は厚くて重く、費用も掛かった。その後一部の位の高い家では使われるようになったが、普及が進んだのは桃山時代頃、薄く軽い製法で作られるようになってからであった。江戸時代になると、主に防火を主眼として奨励されていたようだ。
 「本葺」・・・瓦らしい重厚感と美しさがある。沖縄では台風対策で、縦横とも屋根漆喰で塗り固めていて、赤瓦と白漆喰が郷土らしい香りを放っている
 「桟瓦葺」・・・桟瓦は波上形の瓦で、本葺の平と丸を一枚で兼用した形で、日本独特のものである。これは葺土も少なく軽量なので、屋根の梁材も小さくてすみ、在来の板屋根の構造をそのままで使える利点があった。
 軽量化されたとはいえ、瓦は費用も掛かり、金属板やコロニアルに比べると重いため、近年はあまり使われなくなっている。  さらに輪を掛けて、和風住宅が少なくなってきているからであろう    平屋で深い軒の出のある瓦葺きの家は、日本の風土に合った美しさを感じるのだが、、。