豊田空間デザイン室

建築ノート
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『障子と窓』

updated: 2008年11月22日

日本の民家の開口部の主役は障子である。障子は光を通し、風や見通しをさえぎり、軽くて丈夫で美しい。  これは「明り障子」と呼ばれるが「板障子」という言葉もあるように、昔は板戸も襖も全て障子と呼んでいたのである。  もともと障子という言葉は遮るものの意味であった。
 昔は、障子の細い桟木を縦横に組むのは農家の副業では難しく、和紙も高価なものだったので、富裕な家でも明かり障子を用いるのは座敷の一部に限られていたようだ  それも板戸の引き違いの内側に、一枚入れるのが普通だった。                その他の小窓は、壁の下地をそのまま塗り残して露わした「下地窓」や「切り窓」が多かった。   また、「無双連子」は細い板をその幅だけ透かせて打ち並べ、内側にも同様のものをはめ込み、板幅だけの移動で開閉できるようなものも工夫されている。
 さらに窓にも筵(むしろ)を吊るしたり、板戸を吊り下げて内側から細竹で打ち上げる「突き上げ雨戸」などもあった